ふ た り

                   めいで まい詞
                                          加治  彰之 曲

     むすぶさきから すぐ ほどけてしまう
       あのひとの 飾るリボン
     声にだして 言うさきから
       すぐ わすれてしまう
         わたしの 覚えたことば

     おもいでに
      かたちがあって かげがないように
     ふたりの歩いてきたあとには
       ふたりがいて ふたりはいない

     なにも書いてない
        白いノ−トのように
     あかるい昼日中
      ふたりは いまもふたりのなかで
     ひとりはひとりの髪を飾り
      ひとりはひとりの ことばをくりかえす