紫 の 花
         (短 歌)

                武藤百合子作
                                   加治   彰之曲

     ゆえ知らず 惹かれゆくまま
       ふる里の 山辺に
         蒔きし 紫の花

     寒風に耐えて 芽生えし
       可憐なる いのちのみどり
         もろ手につつむ


     先がけて 春を告ぐるや
       紫金草 駒岳(こま)の里辺を
         むらさきに染む

     秘められし 悲しき由来
       聞きしより いや勝りゆく
          花への想い