おとうちゃんの靴音
沢森 作詞
夕暮れになると靴音がきこえる おとうちゃんの靴音なんか
うちのおとうちゃんの靴音がきこえる もうききとうないんや
きょうもあかんのや おとうちゃんの靴音が
そうゆうてはる そうゆうてはる あんな おとうちゃん 喜んでや
うちはひとりでよう歩けへん うちな おとうちゃん
ごはんも食べられへん 施設に入れそうや
そやからおとうちゃん きょう役場の人が来て ゆうとったわ
施設をさがしてはったけど きのうの新聞見てな
どこも満員やからて ことわられてしもた おとうちゃんが首くくったゆう
もういいんやおとうちゃん きのうの新聞見てな
もういいんやおとうちゃん おとうちゃんが死んだから
もう出かけんといて うちのそばにいて うちは施設に入れるんや
おとうちゃんの靴音なんか おとうちゃんが死んだから
もうききとうないんや うちは施設に入れるんや
お店の仕事はおかあちゃんにまかせて ”おとうちゃん かんにんな”
おとうちゃんははよから家を出て行くの
いまごろどこらへん歩いてはるんやろ 夕暮れになると靴音がきこえる
先のとんがった黒い皮靴で うちのおとうちゃんの靴音がきこえる
もういいんやおとうちゃん 夕暮れになると靴音がきこえる
もういいんやおとうちゃん 大好きなおとうちゃんの
もう出かけんといて うちのそばにいて